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父さんひとごろし 感想 この物語のテーマを考えてみた

父さん_サイコパスの元少年A

【ノレソレ】が描く、サイコパスの恐怖と苦悩を描く

サイコサスペンス『父さんはひとごろし』

この記事は核心に迫るネタバレを紹介しています。

父さんはひとごろし_横_ロングバナー

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『父さんはひとごろし』で検索すると出てきます♪

 

人気サイコサスペンスコミック『父さんはひとごろし』

 

 

25年前、14歳の少年がとある連続殺傷事件を起こした。日本を震撼させたその事件から25年後現在。主人公の駿は14歳になった日、父親の不審な態度を怪しむようになる。父の嘘とごまかしの態度に駿は25年前の事件の犯人が父親だと確信するのだが、駿の家族は悪意に翻弄され、あの惨劇が再び繰り返されてしまう・・・。という物語。

 

 

現代日本において、『十数年前』『14歳の少年』『殺人』というキーワードは忌避されるキーワードです。なにせ類似事件がありましたから。

 

 

 

 

それ故にこの漫画に対して風当たりもあったりします。

 

 

ですが、僕はこの漫画が面白おかしく描かれたものだとは思っていません。

 

 

何より主人公は家族想いの少年・駿ですし、最終話を読めば、この物語がサイコパスの苦しみを描いたものだということが分かります。

 

 

それではここから記事を書いていきます。

 

 

 

ネタバレではなく自分の目で確かめたい方はブラウザバックしてください!

 

 

父さんはひとごろし 『苦しみ』がテーマだと思う理由

作中1話。25年前の(自分が起こした)連続殺人事件の特番を見て笑う父さん。

 

 

さらに猫の死体で不審な行動をしたり、警察に猫の件を届け出なかったり、自分を追いかけてきた復讐者を返り討ちにして殺したり、本性がバレれば息子である駿やそのクラスメイト達を脅したりと。

 

 

度し難い行動を繰り返してしまいます。思慮浅薄なうえに、非人道的で身勝手な行動の数々。

 

 

最後までその自己中心的な行動は続き、息子への最期の頼みは『こいつを殺せ』という命令。

 

 

こうして端的に父さんの行動をまとめましたが、これだけ読むとどうしようもなく下劣な人間という印象になりますね。

 

 

ですが、最終話で『少なくとも(父さんは)長期に渡って安定していた』と語られており、戸叶や誠の件がなければこのような非道な事件は起こらなかったと思います。

 

 

また、駿の中でも、父さんは頑固で口うるさいが『頼もしい良き父親』という印象がとても強かったです。

 

 

 

 

つまり父さんは、戸叶に狙われさえしなければ事件を起こさなかった(再犯しなかった)のです。

 

 

 

それについてはここでその理由を書いてますので読んでみてください。

 

 

欲求を必死に抑え込んでいた

25年前の事件が父さんであることが判明した後、父さんは少年院から出所後、平穏を求めるようになっていました。

 

 

 

この平穏を求める理由が『本能丸出しになれば事件になって捕まって損をするから』というもので、モラルや道徳心からではなく、損得勘定で出した結論でした。

 

 

 

つまり、父さんは潜在的な欲求を抱えたまま、欲求を叶えることなく我慢していることになります。

 

 

 

 

 

猫の死体を発見時

このシーンについては父さんの心情は語られていません。

 

 

猫の死体を発見した駿は後から現れた父さんに驚きます。

 

 

「俺に任せてお前は先に家に帰れ」という父さん。

 

 

しかし、父さんの態度が気がかりで再び戻ると父さんは猫の死体のそばでとんでもないことをしていました。

 

 

人通りの少ない時間帯、公園の中でも生い茂った広場だったことから、つい本能が顔を出したと思われます。

 

 

 

園部を殺したときに言った言葉。

父さんは園部の正体を知った際、衝動的に殺害してしまいます。

 

 

この際自らを『可哀想だと思わないか?こいつを殺した時、俺は●精していたんだ』と駿に言い放ちます。

 

 

この時の父さんの気持ちを箇条書きで書いてみます。

  • 性と暴力が同じであり、それをしなければ本当に気持ちいいとは言えない。
  • 性のみではそれが欠けている。
  • 普通でありたいが、異常な自分ではそれができない(ことを●精したことで再確認した)

 

 

サイコパスは、程度がありますが、我慢すること自体に強いストレスを感じます。

 

 

つまり、普通であろうとする時点で我慢しているようなもので、常に強いストレスにさらされているということです。

 

 

 

普通というものを父さんは知っていた。

物語終盤。戸叶に襲われた際、父さんは駿に対してこんなことを言いました。

 

  • 「俺にとってお前は救世主だ。お前を通して俺は『普通』を知った」
  • 「もう俺のことを良く思ってないだろうが、これからはまともになる」
  • 「だからこいつを殺せ」

 

駿との14年間の生活で普通というものを父さんは理解していました。

 

 

しかし同時に、自分がどうしようもなく異常であることも、この事件を通して再確認してしまいました。

 

 

『自分ではどうしようもない』

『どうにかしようと思ってもどうすることもできない』

 

 

普通を知ったがゆえに、異常な自分を再確認し、

異常さを隠して普通であろうとすれば強いストレスとなる。

 

 

父さんの悲しい性質が露わになっていました。

 

 

感想 苦しみの物語

これが僕がこの物語から感じ取ったものです。

 

 

 

サイコパスは良心がなく、誰かに共感することもできない。他と異なる思考ゆえに理解者がいない孤独を常に抱えています。

 

 

父さんの気持ちが分かるとは言いませんが、作中で語られた父さんの特徴を見てみると、ただただ父さんの人生は苦しみばかりだったのだろうと思いました。

 

 

理解されることもなく、自分をさらけだすこともできず、誰かを傷つけずにはいられない。

 

 

本当に哀れで悲しい人生を見せられたような気がします。

 

 

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